最近、夕方に30分の散歩をやっている。
無理なく続けられるように、との想いで30分だ。
そして最近は30分ではすまなくなっている。道の途中にかわいい猫がいるからだ。いつも同じ場所で夕涼みをしている。
小さい猫だが左右の目の色が違うオッドアイである。かわいいというより神秘的である。
最近はやっと僕のことを覚えてくれたような気がする。僕の顔を見ると「にゃー」と鳴き声をあげてくれる。えさをねだっているのかもしれないが、ほかの人にはあまり鳴いていない。
昔から猫には好かれていた。僕自身も猫が好きだった。
猫は人を見た目で判断しないから好きだ。動物はみなそうだけど、身近なのは猫なので特にそう感じるだけかもしれない。
そもそも見た目で判断するのは人間だけである。もちろん一部の鳥などは見た目でメスをさそったりしているが、それは繁殖期だけである。
人間はいつでも繁殖期なのか、いつでも着飾っている。
猫にとっては不思議でならないだろう。僕にとっても不思議だ。
しかし僕にはきれいな人とそうでない人がわかる。魅力を感じるかどうかは別として。猫にはわからない。
猫からみると、人間の顔の違いや髪型、服装などまったく気にならないものだろう。それを気にしすぎている人間は非常に滑稽である。
鼻があと3ミリ高いとよかった、目がパッチリしているとよかった、など顔に対する不満はみんなあると思うが、猫にとっては非常にどうでもいい。というかその違いがよくわからないだろう。
そんなことで悩んでいる人は猫と触れ合ってはどうだろう。
僕は人に好かれることはあまりないが、猫にはよく好かれる。僕のことを好いてくれる人はいなかったが、好いてくれる猫はいる。寂しいけど、まあ、それでいいのかもしれない。そういう人生もあるだろう。
しかし、次こそは猫を撫でてみたいものだ。実はそばに座っているだけでまだ撫でることはできていない。