花火大会にいってきた。
田舎でも若い人が集まっていた。ふだんどこにいるんだってくらい。
花火はでかい音が苦手だから敬遠していたが、案外そうでもなかった。
昔は花火とは男のロマンで、イメージとしては
ワンカップの日本酒をあおりながら疲れたおっさんが見上げるもの
だった。
はしゃぐ子供や男女の群れを遠くから眺めながら、おっさんが寂しく夜の空の大輪を目の端に感じる。
それでいいじゃないか。
別にカップルで見なくてはならないという法則はない。
最近の若い奴らは花火を口実にいちゃいちゃしやがって……。そのままホテルで別の花火を咲かせるんですかー?
花火の仕組みはよくわからない。断面図を見せてもらったことはあるけど、あんなにきれいに咲くのはやはり不思議だ。当時説明された俺は小学生だったからわからなかったけど、今調べればわかるかもしれない。
それにしても戦争の道具だった火薬をあんなにきれいにして人々を喜ばせるなんてすばらしい。
最初に花火を作った人は誇らしかっただろう。
しかも作品は一瞬。一番寿命が短い芸術作品なのではないだろうか。
あれは紛れもなく男のロマンだ。
いや、漢のロマンだ。
ちなみに一人で見に来ているおっさんは結構いた。俺も次はワンカップの日本酒を片手に見るとしよう。