田舎暮らしのスィンカ

晴れの日は自然と戯れ雨の日は堂々と引きこもり

ちょうど間に落ちてしまった。

この世には目に見えないが高学歴とそうでないコミュニティがある。ここでは高学歴が都会で、そうでないのが田舎とする。

 

僕はASD(グレーだがそれは高学歴だからという理由で診断さえしてもらえなかった)なので、本当にわからずに、純粋にいろんな人と平等になるように接してきた。これは、現代日本では悪手である。ネットのラベリングなどによるリアルの人々の誹謗中傷があるからである。結果としてどちらにも属せない可能性が高い。実際僕はそうなってしまった。孤独である。

 

田舎でガリ勉した僕の末路

僕は、国立大学の合格さえ出ないような塾もない地域に生まれ、一族で初めて国立大学へ進学した。塾も家庭教師もない。独学のみだ。歯を食いしばって眠気に耐え勉強をした。受験が終わったときには奥歯が削れてすり減っていた。

 

しかし本当に勉強ばかりしていたので、読書などもほとんどせず、教科書のみの人間になった。しかし田舎で独学しかないのなら、それでも上等だろう。

 

勉強に全振りして育ったのだから、世間的なものは知らなくて当然だ。しかし、それは致命的な欠点だった。テレビもゲームも全て禁止して勉強したから、(かつブラック部活動も皆勤賞である)当然何も知らない。ゲームはちょっとしたが、3年間で2本くらいである。

 

そして、質の悪い授業を受け、参考書を必死にやりこんでいたので、勉強効率も悪く、教えてくれる人もインターネットもなかったので、質の悪い解説を必死に解読して勉強していた。それこそが勉強だと思っていた。

 

しかし都会の人間は、質の高い授業を受け、質の高い塾へ行き、質の高い参考書で勉強していたので、全然時間の余裕が違う。僕が5時間かけることを、彼らは1時間でこなしていたのだ。大学で同期になったやつらの話を聞いて知った。

 

かくして田舎の世間知らずが、お上りさん状態で、初めて電車に乗り、初めて銀行のATMを使い、でかいスーパーで買い物をして、アルバイトをした。山と川しか知らない僕は覚えることが多過ぎて必死だった。大学の試験も、過去問など入手できずほぼ独学で乗り切った。合コンなども参加していない。

 

ともかく、大学でも社会性やコミュ力すべて捨てて勉強に打ち込んだのだ。

そして問題が起こる。僕が就活する年になって、学力よりコミュ力を重視するとの企業アンケート結果がトップになった。

 

勉強に全振りしていた僕は、当然就活に失敗した。ちょうど僕の年が転換点だった。僕は必死にコミュ力を鍛えようと頑張った。しかし付け焼き刃では何も出来ず、就活に失敗。ようやく採用されたブラック企業で精神が擦り切れてうつ病になり、地元に帰った。

 

地元でも問題が

地元ではコミュ障の僕でも受け入れてくるかというとそうでもなく、起業までしたが近所の絶対大正義女性隊(仮)にストレス発散に利用されてしまった。ちょうどこのような増田女である。

anond.hatelabo.jp

一人なら大したことはない。しかし僕は集団で来られて、その後も調子がつかめず、廃業した。僕はこのとき大航海時代の西洋人の侵略を思い出した。

 

西洋人は未開の島に辿り着き、困った顔をして島で食べ物と財宝をもらっておきながら、島の人々を虐殺し奴隷にしたのだ。僕もサービスを必死に(しかも格安で)提供していたのに島の人と同じように、殺された(世間的に)。

 

もちろん僕が悪い。勝手に性善説を信じていた。牧歌的な田舎で、皆が受け入れてくれると思い込んでいた。最初から契約をギチギチに書いて、付け入る隙を与えないように構えておくべきだった。

 

他にも信じられないほどたくさんのアクシデント/インシデントが起こったが、コロナショックがきて僕は力尽き制度の狭間で補助金ももらえず廃業した。

うつ病から、指一本動かすことができないほどの絶望から立ち上がったのに、またどうしようもない状態に陥ってしまった。もうアラフォーである。独身である。彼女いない歴年齢である。正直死にたい。相談したらまたこちらが攻撃される。相談所は決まって「あなたより辛い人がたくさんいるんですよ」という。僕は相談を諦めた。

 

就活すれどもすれども内定もらえず

しかしこの年である。就活しても、大企業から零細企業まで就活したがどこにも採用されない。ほとんど「今まで何をしてきたの」という反応を返される。半日かけて書いた履歴書メールが1時間で不採用通知となる。特に大企業はキャリアを築いてこれなかった人間に恐ろしいほど冷たい。病気だろうが大震災だろうが、キャリアがない奴は人権がないとでも言われそうな勢いであった。

 

田舎でも高学歴嫌いで採用されない

田舎での就活はある意味もっと酷くて、「今の我々の生活が苦しいのは高学歴が悪い、つまりお前が悪い」という反応になる。冗談皮肉かと思いきや、本気で言っているようである。近所の喫茶店でも僕が入ると高学歴がいかに役立たずかという話題で盛り上がる。(おそらく床屋から情報がもれた。)僕は一体何をしたのだろうか? 彼らの親でも殺したのだろうか? 

 

もっとも、僕がいるのは田舎というより中途半端な地方都市で中心産業がないところである。十万人は超えているが、そういうところは都会の悪いところと田舎の悪いところを併せ持った、ハイブリット田舎である。

 

ハイブリット田舎での就活は「高学歴不採用してやったり、かっかっか」と声が聞こえそうなほどで、僕をまるで人類の敵のように扱い、やっつけて満足する状態である。それでいて至るところで高卒の10代の若者がいい笑顔で働いているし、夜は酒場で盛り上がっているから僕はもう心を殺すのに必死である。

 

都会にも田舎にも居場所がない

これは全て、経験不足と言われそうだが、経験させてもらえないのにどうやって経験しろというのだ。最近のアメリカのお金持ちは、金を払って経験を買っているようである。起業体験などというものがあるという。

toyokeizai.net

僕の起業は正直しょぼかったが、彼らはコーチ付きで、学生の頃から起業の練習をさせてもらえるのだ。お金持ちは全然違うと思ったが、近所の起業している若者は不動産運用などしている親や祖父母の資産のバックアップ付きでやっているやつが多いようで、あまり変わらないと思った。

どちらにしろ、飲食店以外で、特別な天才性もなく起業する奴なんて、夢見る若者なんてハイブリット田舎にとっては「良いカモ」なのである。

成人してからも格差は広がる一方である。経験は、いくら起業などしても、一人ではたかがしれているのだから。「カモになる経験」ならいくらでも積めるかもしれないが。

 

僕は、間に落ちてしまったのだ

都会にも相手にされず、田舎にも敵視され、完全に間に落ちてしまった。いたずらに小難しい本を読んで日々を過ごしている。これが最もストレス解消になるからである。

今は貯金を削りながら、ぎりぎりを生きている。一度失敗すると本当に誰も助けてくれないし、間に落ちると本当に抜け出せない。思うに、高学歴の方が抜け出すのは厳しいかもしれない。まあ、全てASDグレーが原因かもしれないが。

いずれにせよ奇手奇策がなければこの状況は抜け出せないだろう。正攻法ではうまくいかず、学歴コンプレックスども(面接官・相談員)のサンドバックになることは目に見えている。というかサンドバックにされてヒットポイントもゼロに近い。

解決できる案があったら誰か教えてください。メール待ってます(ラジオ風)。