田舎暮らしのスィンカ

晴れの日は自然と戯れ雨の日は堂々と引きこもり

アスペ(ASD)の生きる場所

僕たちは本当に居場所がない。生きていたら他の発達を見かけるようになるが、僕のタイプのアスペ(ASD)は孤立型と呼ばれるらしく、本当に誰とも仲良くなれない。いつも一人でいつでも一人。常識がわからないから、常識の塊がある駅や人が密集するところは苦手だ。空間に余裕のあるショッピングモールはまあまあいい。

法律にして明文化してもらえば、理解できる。それを守る。しかし常識は明文化されない。

旧帝大大学院を修了したという昔のプライドが邪魔をして、就職活動をしてしまう。正社員になってボーナスをもらってみたいという欲望にかられる。

しかし僕には高望みである。他の人に認められて、大勢にしんらいされて、仕事をして、ボーナスをもらう。泣きそうなくらい羨ましい状況である。

だからたまに応募してしまう。しかしもうお祈りメールの山がつらい。しかし何より、「履歴書を送ってください」という返事すら来なくなったのがつらい。人手不足で数名を採用するという企業にすら、即答(一時間以内に)御祈りメールを頂いてしまう。

一度も人に好かれたことのない僕は自信が持てない。書類だろうが面接だろうが、自信が持てない。死ぬほど勉強して進学しても精神を壊してしまったら元も子もない。

わかるわかると同調してくれたアスペな人々も結局は皆、三十代になって正社員になったし結婚した。

僕だけ一人取り残されて、隣のでかい建物のせいで陽の当たらない薄暗いボロアパートでMBAなどで使われるクソ真面目な本を読んでいる。まだ一発逆転を狙っている。自営業したプライドが捨てきれない。アホだろ。アスペだろ。アスペだわ。

僕は勉強はするけど、別に優秀じゃない無能タイプ。昔なら大学教授とかになれたけど、採用基準がコミュ力重視になってからは望みも消えた。

僕たちはどこで生きればいいのだろう。別に感情がないわけじゃない。結婚したいし、誰かに認められて正社員として立派に仕事したいし、ボーナスも貰ってみたい。

べったりするのはいやだけど、何かしら社会に貢献したい。友人が欲しい。仲間って言ってほしい。

一生懸命働いてみたい。一緒にいるという意味ではなく同じ目的に向かって仕事して一体感が欲しい。

でもアスぺだから無理なんだよな。まずアスペはスタートラインに立てない。アリストテレスは「立つ場所を与えてくれれば地球も動かしてみせる」と言ったが、それは梃子の原理について言ったものだったらしいが、本当はアスぺについて言っているのではないだろうか。僕たちだって、環境さえ与えてくれれば、普通の何倍も文句言わずに働くのに。それこそ地球を動かすほどに、働いてみせる。

しかし場所がない。場所がないと何もできない。普通じゃない方法で場所を探さないと。ほとんどのアドバイス本やネットは場所があることが前提で書かれている。僕には役に立たない。ハロワの職員も自称理解のある人のアドバイスも全く役にたたないし、彼らはすぐに逆ギレする。

自分で独自の道を探さないといけない。